キャリアデザインという言葉が一般的になってきています。
以前は大学卒業時に入社した会社を定年退職(60歳または65歳)まで勤め上げることが一般的でした。
そのため、「キャリアデザイン=社内の部署をどう経験するか」と考えられていたと思います。
しかし。
最近は、転職することが一般的、むしろ転職することで給与や立場が上がり、キャリアアップに繋がる時代となっています。
そこで、重要性が増した考え方が冒頭で述べた「キャリアデザイン(設計)」です。
こちらの記事では次のようなポイントをまとめています。
- キャリアデザインとは?その重要性
- キャリアデザインのやり方
- キャリアデザインに使えるおすすめ本
ここからの内容を読んでいただき、あなたのキャリアデザイン(人生設計)を描くキッカケにしていただければ幸いです。
キャリアデザインとは?その重要性
キャリアデザインの意味と重要性についてご紹介していきます。
キャリアデザインって具体的に何を意味しているの?という疑問から、お答えしていきます。
キャリアデザインとは?
コトバンクによると、キャリアデザインとは「自分の職業人生を自らの手で、主体的に構想・設計すること」とまとめられています。
参考リンク:コトバンク「キャリアデザイン」
つまり、簡単に言うと、あなたの手であなたの人生を描いていくことを意味しています。
キャリアがあなたの職業人生を意味しており、現在の仕事や将来的な仕事、やってみたい仕事などを指しており、デザインという言葉で、構想・設計していくことを指しています。
夢や希望だけでも不十分であり、現在の立ち位置とこれからの展望をまとめることが重要と言えます。
キャリアデザインを行うメリット
キャリアデザインを行うメリットは何でしょうか?
それは、漠然と日々を過ごすのではなく、目標を持って仕事に取り組むことができるようになることです。
あなたは今の仕事に大きなやりがいや目標、将来に到達したい自分の姿がイメージできますでしょうか。
多くのサラリーマンは日々の業務に忙殺され、愚痴や不満を抱えながら、過ごしているかもしれません。
実際に、私も新卒で入社した金融機関では、展望を描くことができない日々を過ごしていました。
しかし。
キャリアデザインを描くことで、目標が明確になり、日々の仕事に「意味」を設定することが可能になります。
つまり、キャリアデザインを行うことで毎日の仕事にやりがいを与えることができること、が大きなメリットとなります。
キャリアデザインの重要性
キャリアデザインを行うメリットについては分かったけども、なぜそこまで重要だと言えるのでしょうか。
それは、日本を取り巻く雇用環境の変化にあります。
ポイントは大きく分けると3つあります。
- 年功序列・終身雇用の終焉
- 人手不足の加速
- 働き方改革の影響
それぞれのポイントを詳しくご紹介していきます。
1:年功序列・終身雇用の終焉
1つ目のポイントは「年功序列・終身雇用の終焉」です。
日本企業の大きな特徴に年功序列型の賃金や終身雇用習慣がありました。
つまり、学校を卒業して入社した会社は定年退職を迎えるまで働き続けるものでした。
しかし。
こういった制度は崩壊を迎えつつあります。
年功序列型の賃金は少しずつ薄れつつあり、成果やプロセスを評価するシステムが一般的になりつつあります。
また、中途採用が増え、転職によるキャリアアップや昇給を果たす人材が増えています。
こういった雇用環境の変化に対応するためにもキャリアデザインが重要です。
2:人手不足の加速
2つ目のポイントは「人手不足の加速」です。
現在、日本は人口が自然に減少していく状態となっています。
近い将来、人口が1億人を割り、そこかしこで人手不足による影響が出てくるようになります。
人口減少がこのまま進むと、日本が将来的にどうなるのかについて、詳細に分析した著書がヒットするなど、少しずつ社会問題として捉えられるようになってきました。
人手不足が加速すると、優秀な人材が引く手数多となります。
以前よりも、希望する職種や仕事にチャレンジできる機会も増加すると考えられます。
こういった、構造的な社会変化に備えるためにも明確なキャリアデザインが欠かせません。
3:働き方改革の影響
最後のポイントは「働き方改革の影響」です。
あなたが現在、勤めている会社は働き方改革が進んでいるでしょうか。
現在、社会現象となりつつある働き方改革は大きく分けると2つのムーブメントがあります。
- 残業時間の削減
- リモートワークの推進
つまり、これまでに見られてきた長時間労働かつフルコミット労働を見直し、普段の生活や就業後の時間を有効活用する動きとなっています。
さて、この流れがなぜキャリアデザインと繋がるのでしょうか。
それは「キャリアデザインがなければ無駄な時間を過ごすことになる」からです。
以前は9時〜10時まで残業していた人が、6時〜7時に仕事が終われば、数時間の自由時間ができます。
キャリアデザインがなければ、これらの自由時間を有意義に過ごすことができず、フラリーマン(ふらふらしているサラリーマン)になってしまいます。
将来を見据え、いま何をするべきか見据えている人がカッコ良いように、キャリアデザインを描き、アフターファイブを有効活用している人がカッコ良いのです。
こういった視点からもキャリアデザインが欠かせないと言えます。
キャリアデザインを描く重要性について3つの視点から説明してきました。
ご納得いただけましたでしょうか。
あなたの将来を描くことが、毎日の生活を充実したものへと導いてくれます。
さて。
次にキャリアデザインのやり方(進め方)をご紹介していきます。
キャリアデザインのやり方
キャリアデザインのやり方(進め方)を順を追って、ご紹介します。
当サイトでは5つのステップでキャリアデザインを進めていきます。
- 現在の立ち位置を理解する
- 長期的な目標を定める
- 短・中期的な目標を決める
- 理想に近づくプランを決める
- 行動(アクション)を起こす
それぞれの内容について詳細をみていきましょう。
1:現在の立ち位置を理解する
まず、初めに大前提として「あなたの現在地」を理解することです。
現在地とは、様々な情報が含まれています。
例えば、次のような項目を改めて振り返って、ノートのまとめてみると分かりやすくなります。
- 年収
- これまでのキャリア
- 現在の仕事を希望した際の動機
- できること(職務)
- 最も感動したこと
- 最も辛かったこと
- 次にやってみたい仕事・職務
例えば、あなたは現在、営業をしているかもしれません。
しかし、営業の業務を通じてマーケティングに関する企画職を経験したいと考えるケースが想定されます。
また、キャリアを考える上で、意外に重要なポイントは就活時に「なぜいまの業界・企業を希望したか」を整理しておくとキャリアデザインが描きやすくなります。
次に、長期的な目標を定めていきましょう。
2:長期的な目標を定める
2つ目のステップは「長期的な目標を定める」ことです。
ここで述べる長期的な目標とは「10年後〜20年後」のようなスパンを意味しています。
もちろん、長期的な未来は現在の世界を異なります。
20年前から考えれば、スマホが登場し、インスタグラマーやユーチューバーのよな仕事もありませんでした。
つまり、長期的な目標は未来に見据えたときに、どのような業界や技術、場所で働いていたいかを想像しておくことが重要です。
少し分かりにくいので、例を挙げます。
長期的な目標として、「地元で地元の人材を雇用した上で起業したい」という目標が考えられます。
漠然としていますが、どこでなにをしていたいか、が明確になっています。
このレベルで問題ないので、長期的な目標を定めておきましょう。
3:短・中期的な目標を決める
3つの目のステップは「短・中期的な目標を定める」です。
これは「3年〜5年後」や「5年後〜10年後」の目標を意味しています。
先ほど明確になった長期的な目標に向けたステップをどのように達成していくか、道筋を立てる意味があります。
このステップでは次のような現実的な目標を立てると良いでしょう。
- 資格の取得
- 転職活動
- 昇進目標の設定
- ターゲット年収
資格の取得は、短期的な目標に定めると効果的です。
試験日が決まっているため、試験に向けた計画を立てやすいからです。
また、転職活動をどのタイミングで行うか、どの業界を希望して転職活動を行うか、これらの目標を定めているとプランを計画しやすくなります。
最後に、ターゲット年収も欠かせません。
年収と聞くと、人材側でコントロールできないと考えている人が多くいます。
そんなことはありません。
年収は人材の希少価値で決まるため、あなたの価値が向上すれば、目指している年収を達成することは可能です。
さて、ここで定めた目標を達成するためのプランを立てていきましょう。
4:理想に近づくプランを決める
4つの目のステップとして「計画に近づくプランを決める」ことです。
目標を明確にすると、現在の会社で短期的・中期的な目標達成を目指すのか、転職を通じてキャリアアップを図っていくのかが、明確になります。
また、長期的な目標が定まっていると、目標を達成するために必要な資格やスキルを身につけるためのキャリアプランも策定することができます。
プランは日々の行動計画に落とし込んでいくことが重要です。
つまり、締め日を設定し、どこで何を行っていく必要があるのかノート等に視覚的にまとめることが重要です。
ここで触れている計画は必ずしも転職を見据えたものである必要はありません。
現在の会社でも実行できる計画は少しずつ行動を起こしていきましょう。
5:行動を起こす
最後のステップが「行動(アクション)を起こす」ことです。
具体的に次のようなアクションが想定されます。
- 転職活動のスタート
- 外部の勉強会・交流会への参加
- 資格取得に向けた勉強の開始
- 現在の業務フロー見直し(アフターファイブの創出)
最後に挙げましたが、キャリアデザインが明確になれば時間が必要になります。
毎日の業務フローを見直して、自らが立てた計画を実行できる環境を創っていくこともアクションに含まれます。
あなたの目標に向かって着実に一歩ずつ進んでいくことが重要です。
キャリアデザインの理解におすすめ本
キャリアデザインに関する研究は日本よりもアメリカが進んでいます。
最近になって、東京都内の法政大学に「キャリアデザイン学部」が創設されるなど、研究が進みつつあります。
キャリアデザインと似た領域で「キャリアコンサルタント」という資格も国家資格になりました。
その中で、おすすめしたいキャリアデザインに関する本をご紹介します。
あえて、古典とも呼べる古い本を避けました。
これは、最近の働き方を反映した本を読む方が実践しやすいと考えたからです。
LIFE DESIGN(ライフデザイン)
まず、ご紹介するのが「LIFE DESIGN(ライフデザイン)」です。
こちらはスタンフォード大学教授のビル・バーネット氏が執筆した本の邦訳版です。
スタンフォード大学で開講されている「デザイン・プログラム」の責任者を務めるビル氏は2000人以上の悩みを解決してきた秘訣が公開されています。
主に「日々の仕事のやりがい」をどのように持つか、マインドセットの部分も含めて、詳細に述べています。
人生の様々な場面(転職に限らず)で活用できるライフデザインの普遍的な手法を学ぶことができる一冊となっており、おすすめしたい本です。
キャリアノート
次に、日本の現状を踏まえ、現在のキャリアデザインについてまとめられている一冊をご紹介します。
野津氏の著書である「キャリアノートで会社を辞めても一生困らない人になる」です。
本作では、まず日本の現状とこれからの展望について述べられています。
端的にまとめれば、冒頭でも触れた通り、従来の働き方が通用しなくなることを意味しています。
これを踏まえて、これからのキャリアをどのようにデザインしていくか、体系的にまとめられた一冊と言えます。
こちらの一冊は読んで満足していては意味がありません。
表題にもある通り、あなたのキャリアノートを作っていく必要があります。
日本人による著書として、現状の課題を踏まえた一冊として価値があると言えます。
キャリアデザイン講座
最後にご紹介する一冊は学術的な「キャリアデザイン講座」です。
こちらはビジネス書ではなく、大学生の授業用に執筆された一冊です。
そのため、学術的な視点で学びたい場合はおすすめです。
ただ、ビジネスマン向けの一冊ではないため、あまり手にする機会はないとも言えます。
まとめ
こちらの記事はキャリアデザインの重要性とやり方についてご紹介してきました。
少しだけ振り返ると、次のようなポイントがありました。
- 現在の働き方にはキャリアデザインが必要不可欠
- 計画を立てて実行に移す
日本は社会構造が変化するタイミングにきています。
あなたらしく、職業人生を全うするためにも、社会に流されるのではなく、自分らしい生き方を実践できるキャリアデザインを描きましょう。
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